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人生100年時代に思う
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コンサルタントコラム
2022.06.15
人生100年時代に思う
昨年、22年間勤めた会社を退職した。ほんと長く同じ場所で長く働いた。退職した理由は、いろいろ思うことがあるが、一番は60歳になった時に笑って働きたいなと思ったからである。60歳定年制が、今や65歳に引き上げられ、さらに70歳までの延長が努力義務となっている。会社では色々なチャレンジの機会を得ながら20年以上も働かせてもらい感謝しているが、しかし、60歳、70歳と、さらに20年以上同じところで働く自分を想像すると「ゾっ」としてしまったのだ。決して会社が嫌いではなかったが、健康寿命は延び、人生100年というならば、人生まだ半分、新たなキャリアを描くことに「ワクワク」したいと思ったのが主たる退職理由である。
「組織内キャリア」から「生涯キャリア」へ
近年話題となった世界的なベストセラー「LIFE SHIFT」の本の中には、人生100年時代を迎えるにあたり、私たちのライフステージがより多様化することが述べられている。人生100年時代とは、言葉の通り、大変長く生きるということである。具体的には、これまで100歳まで生きる確率は全人口の1~2%であったのが、これからの時代、2007年生まれの今の中学生であれば50%まで上がる。このように健康寿命が延びるにつれ、教育を受け、就職し働き、そして定年退職後は年金暮らしといった固定化されたライフステージではなく、多様化されたライフステージへと推移すると本書ではうたわれている。近年、実際フジテレビ、パナソニック、ANA他大企業が45歳ないし50歳以上の早期退職の募集に踏み切っている。以前から終身雇用の終焉の潮流はあったが、さらにその流れはきているといえる。この流れに不安を感じるのか、それとも自ら流れに乗れるようになるか?「LIFE SHIFT」の舵の切り方で決まる。ようは、今までは、定年に向け「組織内キャリア」を考えればよかったが、これからは、組織内だけでなく、自分がどうありたいか、何をやりたいか、自分の人生をどのようにつくっていくのか、「生涯キャリア」を描く必要がある。また、描くにあたって、VUCAな時代と言われるほど変化の激しい時代、その変化の波に乗れる経験や知識、スキルのアップデートが必要ともいえる。絶えず、学習し新たな能力開発していくことで、これまでの「教育➡仕事➡引退」の3つのライフステージをではなく、さまざまな選択肢からライフステージが選ぶことができるようになる。
生涯キャリアを考えるに「副業」でなく「複業」の時代
私は退職後に考えたのが、これまでの経験、知識をベースにコミットできることを増やすことを目指している。なぜなら、これだけ変化の激しい時代、どんな波が来ても楽しく乗りこなしたいと思ったのである。また、一つのことを極めるという道もあるが、先人たちが何十年も培培っており、その道はいわゆるレッドオーシャンでしかない。であれば、今までの経験から「できること」に「好きなこと」そして「新しい学び」などを複数掛け合わせ、個性的なポジションをとることでブルーオーシャンの波に乗りこなせたらと考えたのである。実際、現在前職でお世話になった小貫社長に声を掛けて頂き、ストラドル社にて週1回数時間だけ、学校での学びを優先しながら自分の個性を確立中である。長年大きな企業で働いてきた私には、想像しえないライフスタイルの変化をとっている。
今働きながら別の仕事をする「副業」という言葉をよく見聞きするが、実際個としてできることが「業」となすので、会社でなく個を主とすれば「副」とはいわないのでは?「生涯キャリア」を考えたとき、コミットできることが「業」としていくつかなせれば、それは「副業」ではなく、まぎれもなく「複業」になる。「複業」は唯一無比の自分のポジションをなり得る可能性もある。変化の激しい時代に中、個性的な「副業」は「福業」へとつながるかもしれないと考える。数年後に私がどんな「複業」を成しているか?人生まだ半分、LIFE SHIFTを図ったオジサンの実験だな、これは。